京進は、京都・滋賀・大阪・奈良・愛知を中心に全国で323拠点開校している進学塾です。中学受験のみならず、幼児教育から大学受験、英語教室と幅広く展開しています。愛知県では尾張地区に14教室が開校しています。

京進の中学受験生を対象とする小学部は、四谷大塚と提携しており、教材やテストは四谷大塚のものを利用しています。一方、カリキュラムにおいては、5,6年生の算数では、80分間の講義と40分間の演習の2系統で1セットの授業が1週間で2回行われたり、国語では、1週間にのべ120分間の読解授業と40分間の知識授業が行われたり、科目ごとに授業時間や授業形態に工夫がされた、独自のカリキュラム編成になっています。

また、勉強する意識・習慣を身につけ、中学受験を乗り越えるために必要な「集中力」「忍耐力」「あきらめないで解く力」を養うことを目的として、自立型人間を育成するオリジナルメソッド「リーチング・メソッド」を採用するなど、他の塾にはないユニークな指導が導入されています。

京進に通っているが成績が伸び悩んでいる生徒の2つの共通点

1)塾での演習時間で演習しきれず、宿題がおぼつかない
2)週実テスト・週テストの復習に手がつけられず、公開テスト
例えば5、6年生の算数では、80分間の「講義授業」中に前回の単元の宿題の解説講義と、その日の単元の講義を行います。次に、40分間の「演習授業」中に、その日の単元の演習問題を行います。講義と演習の復習と宿題は、家庭で行い、次の講義授業でその宿題の解説講義を行う・・・という繰り返しになります。そして、その週に学んだ単元の理解度は毎週の週実テスト、週テストでチェックされます。

この算数を例に取れば、講義授業で内容をしっかり理解していなければ、演習問題を解ききれるようなレベルになることは困難です。何となく理解した状態で、すぐに問題を解いて答え合わせと解説、という流れでは、せっかくの「理解→演習」のメリットが効果的に発揮されません。結局は、家に帰ってから、講義内容をもう一度振り返って理解を深め、演習時間に解いた問題をもう一度ゆっくりと取り組みながら、その単元を修得する必要があります。授業の復習、演習の復習、そして宿題、ご家庭でやることは盛りだくさんです。やったことの復習も宿題もどちらも大切ですが、家庭学習の時間にも限界があるので、結局復習を十分にできずに宿題をやっつけでこなす、という事態になりかねません。積極的なお子さまであれば、演習時間や授業の後で、講師にすぐに質問して分からないところを解決し、家庭学習ですぐに宿題に取り掛かれる、という好ましいケースもあります。しかし、分からないことが分からなくて質問できないお子さまや、分かった(できた)つもりになっていて家でやってみたらアナだらけだったというお子さまも少なくありません。

「講義時間で理解→演習時間で演習」という流れに乗るには、講義内容を、その授業時間内で「演習可能なレベル」にまで理解できるようにする必要があります。そうなるためには、どうしてもご家庭での予習が必要です。

もともと四谷大塚の指導サイクルは、事前予習→授業→復習→確認のサイクルで進みます。具体的には、事前学習で「予習シリーズ」という教材を使って予習し、次に授業を聞いて理解を深め、その後、ご家庭で問題演習による復習を行い、そして週末に週例テストという流れになります。京進の指導方針は四谷大塚に準じているので、塾の効果を十二分に活かすには、この予習は必要と言えます。予習の必要性を、算数を例にお話ししましたが、これは算数に限らず他の科目にも言えることです。

しかし、なかなかうまく家庭での事前学習を進めることは難しいでしょう。予習よりもむしろ授業の復習に手間取ってしまい予習ができず、予習ができていないので当然、授業内容もいまひとつ分からず、演習時間中は、周りに流されるようにあやふやなまま問題を解き、家で復習にさらに手間取り、テストに間に合わない、という悪いパターンになりかねません。また、日々の授業と宿題に追われて、毎週の週テストを復習して解き直す時間もとれずにいれば、京進の公開模試や四谷大塚の全国小学生テストといった、実力をはかるテストで結果を出すこともできません。

さらに、2012年に四谷大塚は学習カリキュラムを大幅に変更し、(1)カリキュラムを前倒しして5年生の時点で中学受験の一通りの内容を終える、(2)6年生は総復習と演習に取り組む、という内容になりました。つまり、5年生までに学ぶボリュームが事実上増えたことになります。授業のスピードも当然早くなります。その更なる負担は家庭学習にもかかってくるのです。

対策

1)授業中に講義の内容を理解できなければ、家庭学習に予習を盛り込む。
2)理解→演習→宿題の流れができている場合は、復習に力を入れる。
授業(算数や理科なら「講義授業」の時間)中に、講師の講義や問題の解き方の説明に対して、なんだかよく分からないなぁ、理解できないなぁ、と感じることが多い場合は、ご家庭での学習時間を確保して、その単元の予習を取り入れたほうがよいでしょう。事前にその単元の理解がある程度まで進んでいれば、講師が説明している内容についてもすんなり耳に入ってくるし、予習と授業とで2回同じことに触れるので、理解も深まります。算数や理科の演習授業では演習問題にも取り組みやすくなります。それ以外の科目であっても、理解が深まっているので、宿題や復習に対するハードルが下がり、ご家庭での学習時間のうち復習に占める割合が減って、次の単元の予習に充てる時間もできます。「予習→授業→演習・復習・宿題」というサイクルにも乗りやすくなります。このサイクルをうまくまわしていければ、テストの復習も余裕を持って取り組むことができるでしょう。

ただし、予習の段階で、(理解に時間がかかるお子さまであれば特に)それなりに理解を深めておく必要があります。少なくとも、「このページのここの部分はよく分からないから、授業ではここをよく聞いておこう」という、講義で特に注意深く聞いておくべきところを明確にしておく必要がありますので、保護者さまのサポートは必須と言えるでしょう。

一方、現段階で、講義授業の内容は講義を聴くだけでかなり理解できているし、演習授業中の演習問題にも自力である程度まで取り組めている、ということであれば、予習ではなく、復習に重点を置くのが好ましいでしょう。その際、演習授業で取り組んだ問題について、間違えた問題に対して分析を行うのが効果的です。自分はなぜ間違えてしまったのか、どこに問題あって間違えたのか、次回似たような問題が出たときにはどんなことに注意して解けばよいか、といったように、自分の間違えた原因分析と、その分析結果を踏まえた対策を立てるのです。その対策を意識して、宿題に取り組むようにします。また、正解した問題であっても、解き方のパターンを丸暗記している可能性もあります。なぜその解き方で解けるのかという理由や根拠を意識させながら、手順を追って解き方を自分の言葉で説明できるかどうかを保護者さまがチェックしてあげてください。その問題が分からない友達に分かりやすく教えられているか、をチェックの基準にしてみてください。

さらに、週テストや模試についても、同様に自分の間違いの原因を分析し、対策を講じるような復習を行いましょう。単なる解き直しではテストの効果が半減してしまいますので、是非「今回の自分の間違いを次にどう活かしていけばよいか」「この問題の解き方や知識を、初見の問題を解く『武器』としてどう使えるか」ということを意識した復習を心がけてみましょう。