中学受験を目指す場合、公立小学校で学ぶ内容以上のことを勉強する必要があります。
ですから、中学受験専門の塾に通うにせよ、中学受験用参考書を独学するにせよ、中学受験に家庭学習は必須です。

このため、まずは、家にいる時間を有効に使って勉強時間を確保する必要があります。
しかし、多くの小学生の生活においてゲームやテレビは切り離すことのできないのが現状です。
今や、テレビやゲームを知らなければ話題についていけず、仲間はずれにもなりかねませんから、無下にゲームやテレビを禁止するのは得策ではありません。

とはいえ、ゲームやテレビに数時間を費やしては、勉強の時間は作れません。

ご家庭での時間の使い方とは、すなわち勉強とゲーム・テレビの両立の仕方といってよいでしょう。

お勧めは、その日の学習のノルマをこなしてから、残りの時間をテレビやゲームに充てる、ということです。

テレビ番組は録画しておき、ノルマをこなしてから(ご褒美として)見るようにすればよいでしょう。

テレビやゲームをやってから勉強、という順番だと、勉強を開始するまでに時間がかかりやすく、結果十分な勉強時間を確保できない可能性が高くなります。

あまりにゲームに夢中で勉強が疎かになるようでしたら、「そんなにゲームをやりたいなら、朝早く起きてやりなさい」と決め、勉強時間を減らすのではなく、睡眠時間を減らすという強硬手段を取ることも場合によってはよいかもしれません。

また、無駄な時間や隙間時間をできるだけ有効に使うことも効果的です。
家にいると、何をしているのか分からなかったり思い出せなかったりするような、無駄な時間が意外と多かったりします。

ストップウォッチ等を使って、お子さまの様子を観察し、家にいる時間の過ごし方を厳密に計ってみてください。
「18~19時夕食、19~20時テレビ、20~21時ダラダラとリビングで過ごす、21時~21時30分リビングで塾の宿題・・・」といった感じで、お子さまの実際の時間の時間の使い方をお子さまに突きつけると、お子さまも時間の使い方をもっと意識するようになるでしょう。

また、家庭学習は、勉強時間を確保しさえすればよいというわけではありません。
やはり、家庭学習の仕方もとても大切です。

家庭学習でもっとも大きな鍵を握るのは、親のお子さまへの関わり方です。

家庭学習の仕方、つまり、親がご家庭でどう子どもと関わってお子さまに勉強をさせていくか、が合格のカギを握ります。

まず、テストの結果だけに興味を持つのではなく、お子さまの毎日の学習にも積極的に参加する、興味を持ちましょう。

塾から帰ったら、今日はどんなことを学んだのか、どんな問題を解いてどこが難しかったか、お子さまに質問してみましょう。
お子さまは授業でやったことを必死に振り返りますので、それだけでも立派な復習になります。

少し長くお子さまの勉強をみる時間が取れるならば、塾で間違えた問題や解けなかった問題について、なぜ間違えたのか、どこまでは分かってどこから分からなかったのか、先生の解説を聞いて理解できたか、先生の解き方と自分の解き方でどこが違ったのか、を質問しましょう。

そして、わかっただけで終わらせないように、自力でその問題が解けるようになるまで何回も繰り返し解き直しをさせます。

漢字や理科・社会の用語については、一問一答の早押しクイズのように(不意を突くなど)ゲーム感覚で、ことあるごとに質問します。
触れる回数を増やすと記憶に残りやすくなるので、暗記すべきものについては、こまめにチェックしていくのが効果的です。

このように、家でもしっかりと勉強する時間を設けて、

「家でお父さん・お母さんと一緒に勉強をする」という意識をお子さまに植え付け、

根気強く習慣づけをさせていきましょう。

しかしながら、お父さん・お母さんの言うことにお子さまが耳を傾けないことも多々あると思います。

そして、親も、穏やかに笑顔で子どもに接したほうがよい、と分かってはいても、そうできないことも多々あると思います。

例えば、

ダメだとは分かってはいるけど、子どもの態度や行動にイライラして怒ってしまう。
どう子どもと接したら、子どもがやる気を出してくれるのか分からない。
子どもには自立的に勉強して欲しいが、つい口を出してしまう。
子どものためにと思って口を出したり手を出したりするが、果たしてそれが功を奏しているか?
そんな気持ち、お悩みはございませんか。

親がついカッとなったり、つい口を出したりしてしまうのは、親が子どもを思っている証拠です。

ですから、分かっているのについやってしまうご自身に対して責めたり、自己嫌悪に陥る必要はありません。

しかし、親のそのような熱い行動や言葉は、時としてお子さまにとって逆効果に働いてしまうことがあることも確かです。

分かっているのに、それを言われるとやる気が失せる
というのは、お父さん・お母さんご自身が幼いときに経験したことではありませんか。

親も我慢のしどころです。

お子さまに中学受験に向けた努力を願うのならば、お父さん・お母さんの方でも、自分の感情に打ち勝ち、冷静にお子さまと向き合い、じっと堪えて積極的に見守るという努力をするのが、フェアと言えるでしょう。

では、親は言いたいことも言わずに、ただじっと黙っていればいいのか?といえば、そうではありません。

お子さまに、しっかりと落ち着いて、自分の感情に任せることなく、冷静に、親の気持ちや意見を、あくまでも自分たちの考えとして、言葉にすることが大事です。

一方的に親の気持ちや考えを絶対的なものとして押しつけるのは好ましくありません。

子どもを一人の立派な存在として接しましょう。
仕事で言えば、信頼している部下に伝えるような態度・姿勢と同じです。
お子さま(相手)に、選択の余地を残す、選ばせる、ことが大切です。

並大抵の努力ではないかもしれないですが、お子さまを信じて『積極的に見守って』いきましょう。

お子さまが家で楽しく有意義に学習できるように、精神的にも物理的にも、ご家庭を最高の学習環境に整えていくのが、お父さん・お母さんの役割です。

でも、親だって聖人君子ではないし、親の感情やストレスはどうすればいいの?
どこにぶつけたらいいの?
親は誰に相談したらいいの?

そうです。
親だけのガンバリでお子さまを支えていくのは、限界があるように感じます。

ですから、親だけで頑張らなきゃいけない、という先入観を手放して、積極的に、お子さまが通っている塾の先生や、家庭教師や、受験情報を提供するサイトの相談コーナーなどを利用して、頼ってください。

お父さん・お母さんの気持ちをぶつけてください。
そうして、ちゃんと受け止めてもらってください。
受け止めてくれる人を探してください。

受け止めて、理解してくれて、親子と一緒に中学受験に向けて伴走してくれる存在を見つけていただきたいと思います。

私は、お子さまの成績を上げることに加え、お子さまを支えるお父さん・お母さんをサポートすることを特長とする、プロ家庭教師です。

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