中高一貫校生は、授業の進みも速く、特に数学は復習をしなければ授業に追いついていけません。 数学の成績を上げるには、実は計算力が鍵を握っています。 【番外編】 計算力アップで波に乗れ~中高一貫校生のための数学成績アップ法(1)こんにちは。中学受験専門家庭教師の富都野日穂理です。
今回は、番外編として、 中高一貫校に通うお子さま(特に中学生)のための
中高一貫校生の数学の鍵は、計算力だ
<中高一貫校に通うお子さま向け 大学受験準備コース>にも記載していますが、
特に、英語や数学は、びっくりするほど速く進んでいきます。
授業で学んだだけで瞬時に修得できるほどの賢い子以外は、 授業で学んだことを、まずは理解して、次に手を動かして、覚えて・・・
聴いて理解しただけでは、自力でできるようにはなりません。 自力でできるようになっていないので、当然、テストで良い点は取れません。 つまり、「わかる」と「できる」は違うのです。
理解したことを、自力でできるようにするためには・・・
やはり、自分の頭を動かしたり、自分の手を動かしながら、
英語や数学は、特に進みが速いですから、授業にしっかり追いついていくためには
宿題をたくさん課す学校も多いですし、部活もやっていたら、
限られた時間の中で、授業の復習も宿題もこなすためにはどうしたらいいか・・・。
数学の場合、その鍵は「計算力」にあると、私は考えます。
例えば、授業中に取り組んだ数学の問題を解き直す、
「問題を解く」ことは、実は以下の手順に分解されます。
1)問題を読む 2)問題の問われている内容を理解する 3)答えをどうやって導き出すか、その道筋(解法の流れ、方針)を思い出す 4)道筋に沿って計算する 5)答えを出す
「問題をスラスラ解けるようにする」ためには、さらに以下の手順も含まれます。
6)途中で解けなければ解くのを止めて解答解説を読む 7)解答解説を理解する 8)解答解説のような答案を再現できるまで繰り返し手を動かして解く 9)何も見ずに自力で最後まで答えを導き出せるか確認する
定期テスト前に、「あれ、こんな問題やったっけ?」と焦らずに
10)夜寝る前に、問題の解法の流れを再び思い出し、スラスラ口に出して説明できることを確認する 11)説明できなければ、再度参考書の解答解説を読み返したり手を動かしたりして覚え直す 12)翌日、あらためて解き直して、自力で答案を再現できるか確認する 13)一週間後、あらためて解法の流れをスラスラ言えるか確認し、
余談ですが、実は、上記1)~13)までの手順は、大学の受験勉強として使えるものです。 この手順で勉強をすれば、必ず成績は上がります。 ぜひ、数年後のお子さまの大学受験にお役立てくださいね。
さて、話は戻って、
「問題を解く」手順の1)~5)の中で、
それは、 手順4) 道筋に沿って計算する です。
自分の立てた解答の方針に沿って計算する過程というのは、 実はもう、答えの数値を出すためにせっせと手を動かすだけの「作業」でしかないのです。
この過程に時間をかけてしまう難点は、3つ。
ひとつは、数学の宿題をこなすだけでタイムアップ。 宿題は何とか終わらせるものの、復習などする時間は皆無という事態になること。 効率的に時間を使えなくなる、ということです。
ふたつめは、計算自体に時間がかかったり、計算ミスをしたりして答えが合わず
計算自体は慣れれば単純作業です。
そんな作業に時間がかかったり、単純なミスをすることが積み重なると 数学へのモチベーションが非常に下がります。
みっつめの難点として、計算という単純作業に時間をかけたことで 数学の成績を上げるための勉強であるならば、大切なのは単純作業ではありません。
大切なのは、手順3)や手順9)~13)のように、 「問題の解き方を理路整然と分かりやすく人に教えてあげるように説明できる」
速く正確な計算力は、敵キャラを倒すゲームの「ライフ」だとお伝えしました。 計算力がなくして、数学を制覇することはできません。 まさに、数学に勝つか負けるかの生死を分けるのです。
無事に中学受験を乗り越えてきたから、そこそこの計算力はあるだろう、という油断は大敵。 算数時代の計算力という貯金は、もう底をついてきているかも知れません。
算数から数学に変わったからこそ、より一層計算力がモノを言ってきます。
「ウチの子、数学が下がってきたわ」とお感じでしたら、
じゃぁ、いったいどうすれば計算力は上がるのかしら・・・
次回は、中高一貫校生にオススメの計算ドリルをご紹介しますね。
つづく
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